個人事業主の社会保険|「5人の壁」を段階図で解説【本人・従業員】

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「個人事業主の社会保険って、自分はどうなるの?従業員を雇ったら?」——ここは人数によって義務が段階的に変わるので、混乱しやすいポイントです。よく聞く「5人の壁」も、その一つ。この記事で、人数ごとに何の保険が必要になるかを段階図で一気に整理します。

先に結論
● 個人事業主“本人”は社会保険(健保・厚年)に入れない→国民健康保険+国民年金
● 従業員を1人でも雇ったら労災保険は必須
● 週20時間以上働く人には雇用保険
● 「5人の壁」=適用業種で常時5人以上を雇うと、健康保険・厚生年金が強制

社会保険の「壁」を段階図で見る

雇う人数が増えるほど、必要な保険が積み上がっていきます。

👤
従業員 0人(自分だけ)
個人事業主本人は健保・厚年に加入できません。国民健康保険+国民年金に自分で加入します。
👥
従業員 1人でも雇ったら → 労災保険
労災は1人でも加入義務。保険料は全額を事業主が負担します(従業員のケガ・病気に備える)。
⏱️
週20時間以上・31日以上の見込み → 雇用保険
その従業員には雇用保険も必要。失業給付などのための保険で、労使で負担します。
🏢
適用業種で常時5人以上 → 健康保険・厚生年金(5人の壁)
ここが「5人の壁」。健康保険と厚生年金が強制適用になり、保険料は事業主と従業員で折半します。

① 個人事業主“本人”の社会保険

まず大前提として、個人事業主本人は、会社員のような社会保険(健康保険・厚生年金)には加入できません。代わりに、次の2つに自分で加入します。

  • ✓国民健康保険(お住まいの市区町村。前年所得で保険料が決まる)
  • ✓国民年金(第1号被保険者。将来の年金の土台。付加年金・iDeCoで上乗せ可)
💡 会社員より将来の年金が少なくなりがちなので、iDeCoや小規模企業共済で自分年金を積むのが定番の対策です。(節税にもなります。詳しくは節税の記事で解説予定)
ぴよぴよ
法人にしたら自分も社会保険に入れるの?
センパイセンパイ
そう。法人化すると社長1人でも健保・厚年に加入する。将来の年金は手厚くなるけど、保険料の負担も増える。法人成りの判断材料の一つだね。

② 従業員を雇ったときの4つの保険

保険 いつから 誰が負担
労災保険 従業員1人でも(雇ったら即) 全額 事業主
雇用保険 週20h以上・31日以上の見込み 事業主+従業員
健康保険 適用業種で常時5人以上(=5人の壁) 事業主+従業員(折半)
厚生年金 同上(健保とセット) 事業主+従業員(折半)

雇用にまつわる届出の全体像や、給与計算・有給などの実務ははじめて人を雇うときの手続き【保存版】にまとめています。

③「5人の壁」をくわしく

そもそも適用業種って?

健康保険・厚生年金が常時5人以上で強制になるのは、法律で定められた「適用業種」の個人事業所です(製造・建設・運輸・金融・士業など)。一方、飲食業・宿泊業・理美容業・農林水産業など(非適用業種)は、5人以上でも“強制”ではありません(従業員の同意などで任意加入は可能)。

人数の数え方

「常時5人以上」の人数には、正社員に加えて、週の労働時間・日数が正社員のおおむね4分の3以上のパート・アルバイトも「1人」として数えます(事業主本人は含みません)。

2029年10月から「5人の壁」が業種を問わなくなる
法改正により、2029年10月からは業種に関係なく、常時5人以上を使用する個人事業所は社会保険の強制適用になる予定です。飲食・美容など、これまで対象外だった業種も含まれるようになります。人を増やす計画がある人は、頭に入れておきましょう。
⚠️ 「5人の壁」を越えると、社会保険料の事業主負担分(給与の約15%前後)が上乗せされます。人を増やすときは、給与だけでなくこの会社負担分も込みで人件費を計算しておくことが大切です。

④ 手続き・相談はどこで

社会保険(健保・厚年)の手続きは年金事務所、労災・雇用保険は労働基準監督署・ハローワークが窓口です。判断や手続きに迷ったら、社会保険労務士(社労士)に相談するのが確実。給与計算と社会保険はセットなので、会計・給与ソフトで自動計算にしておくとミスが減ります。

給与計算をエクセルの手作業でやると、計算式の崩れで払いすぎ・不足が起きがちです(実際に多い失敗)。ソフト化しておくのが安全です。ソフト選びは確定申告ソフトおすすめ比較も参考に。

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よくある質問

ぴよぴよ
家族に手伝ってもらう場合は?
センパイセンパイ
生計を同じくする家族(専従者)は、原則として労災・雇用保険の対象外。ただし条件によって扱いが変わるので、微妙なときは労基署や社労士に確認しよう。
ぴよぴよ
扶養に入っているパートを雇うときは?
センパイセンパイ
働く時間や収入で、本人の社会保険・扶養の扱いが変わる(いわゆる年収の壁)。週20時間・月額賃金などの基準があるので、雇用条件を決める前に確認するのが安全だよ。
ぴよぴよ
5人未満なら従業員の保険はどうなる?
センパイセンパイ
健保・厚年は強制じゃないので、従業員は各自で国民健康保険・国民年金に加入する。労災(1人でも必須)と、条件を満たす人の雇用保険は必要だよ。

まとめ

この記事のポイント
● 個人事業主本人は国保+国民年金(社保には入れない/法人化すると社長も社保)
● 従業員1人でも労災、週20h以上で雇用保険
● 適用業種で常時5人以上=健保・厚年が強制(5人の壁)
● 2029年10月から業種を問わず5人以上で強制に拡大予定
● 会社負担分も込みで人件費を計算しておく

社会保険は「人数の段階」で義務が変わります。まず自分の段階を段階図で確認し、人を増やすときは壁の手前で準備を始めましょう。

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