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開業したての個人事業主にとって、毎月の固定費は少ないほど正義です。売上がまだ読めない時期に、バックオフィス(事務まわり)のツール代で月々数千円が消えていくのは避けたい。そこでこの記事では、固定費0円で事務まわりを回すための無料ツールを、実際に個人事業を運営している私の目線で紹介します。
先に全体像です。
| 業務 | 無料でまかなうなら | 無料の範囲 |
|---|---|---|
| 請求書・見積書 | Misoca(ミソカ) | 請求書 月10通まで/見積書・納品書は無制限 |
| 給与計算(人を雇ったら) | 円簿給与 | 少人数なら無料(執筆時点) |
| 車の運転記録(家事按分の根拠) | ドライブログ | 無料 |
| 会計・確定申告 | freeeなどの無料お試し→事業が回り始めたら有料へ | お試し期間・機能制限あり |
ぴよ
センパイ請求書・見積書:Misoca(無料で月10通)
取引先に請求書を出す仕事を始めるなら、まず候補になるのが弥生が運営するMisoca(ミソカ)です。※私自身はまだ使っていないため、ここは公式情報ベースの紹介です。
- 無料プランで請求書が月10通まで作成可能(2026年9月時点)
- 見積書・納品書は無料で無制限
- インボイス制度(適格請求書)対応のフォーマット
- テンプレートから作ってPDF出力・メール送付まで完結
開業したての個人事業主で請求書が月10通を超えるケースはそう多くありません。つまり実質、請求書業務はずっと無料で回せる人が大半のはずです。取引先が増えて月10通を超えたら、それは事業が育った証拠なので、そのとき有料プラン(月880円〜)に上げれば十分です。
給与計算:円簿給与(少人数なら無料)
「個人事業主に給与計算?」と思うかもしれませんが、アルバイトや家族(専従者)に給与を払い始めた瞬間に、給与計算・源泉徴収・明細発行の事務が発生します。ここでいきなり有料の給与ソフト(月額数千円)を入れるのはオーバースペックです。
私が実際に使ったことがあるのが円簿給与です。円簿シリーズは無料で使えるクラウド業務ソフトとして知られていて、給与計算も少人数(執筆時点で5人程度まで)なら無料で使えます(最新の条件は公式サイトで確認してください)。
- 給与計算・賞与計算・明細の発行という基本機能が押さえられている
- クラウドなのでインストール不要
- 画面は正直、今風ではありません。ただ「無料で計算が正確」という道具としての価値は十分
雇用が5人を超える規模になったら、そのときは会計ソフトと連携できる有料の給与サービスに移行するのが自然です。それまでの「最初の1〜2人」の時期を0円で乗り切れるのは大きい。
運転記録:ドライブログ(家事按分の「根拠」を残す)
ここは少し毛色の違う話ですが、税理士に頼まず自分で申告する個人事業主にこそ読んでほしいパートです。
車を仕事とプライベートの両方で使っている場合、ガソリン代・保険料・車検代などの車両関連費は事業で使った割合だけ経費にできます(家事按分)。問題は、その「事業で使った割合」を何を根拠に決めるかです。「なんとなく5割」で申告している人が実際には多い——でも、もし税務署に聞かれたとき、その5割を説明できるでしょうか。
私は税理士に依頼していない分、経費の根拠づくりを人より強めにやると決めています。車両費については、ドライブログという無料の運転記録ツールで走行記録を残し、事業利用の割合を「実測した数字」として持っておく運用です。
ぴよ
センパイ運転のたびに記録を残しておけば、確定申告のとき「事業での走行距離÷総走行距離」という誰が見ても筋の通る按分根拠ができあがります。方法自体は手書きの運転日報でもExcelでも構いません。大事なのは「記録が残っている」という事実です。
※ドライブログは当サイト運営者が提供するサービスです
会計ソフトだけは「無料にこだわりすぎない」が私の結論
ここまで無料ツールを勧めておいて矛盾するようですが、会計ソフトだけは早めに有料を検討する価値があります。理由はシンプルで、会計は「年に1回の確定申告」ではなく毎日の記帳が積み上がる業務だからです。銀行口座・カードとの自動連携、レシート取り込み、申告書の自動作成——ここの自動化が効く時間数は、請求書や給与の比ではありません。
私はfreee会計(有料)を使っています。判断の材料はこちらにまとめています。
「まずは完全無料で」という人は、無料お試し期間で自分の事業の記帳量を体感してから決めるのがおすすめです。会計ソフトの費用は経費になりますし、条件が合えば補助金の対象にもなります。
まとめ:0円で固めて、育った業務から有料化する
- 請求書はMisocaの無料枠(月10通)で大半の開業初期をカバーできる
- 給与計算は円簿給与で「最初の1〜2人」を0円で乗り切る
- 車の家事按分は運転記録で根拠を実測。税理士に頼まないなら、根拠づくりは強めに
- 会計ソフトだけは自動化の効果が大きいので、無料にこだわりすぎず早めに検討
- 判断基準はつねに「その業務が月に何時間を食っているか」。無料ツールで時間が守れているうちは無料でいい
※本記事は筆者の実体験(円簿給与・運転記録)と2026年9月時点の公開情報(Misoca)に基づきます。各サービスの無料枠・料金は変更されることがあるため、利用前に必ず公式サイトでご確認ください。税務の個別判断は税務署・税理士にご相談ください。