個人事業主が現実的に狙える補助金は2つ|申請実務をやっていた私が本音で解説【2026年】

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私は会社員時代、勤務先でIT導入補助金や地域のDX関連補助金の申請実務を担当していました。その経験からはっきり言えることが1つあります——補助金は「もらえるお金」ではなく、「先に自分で払った経費の一部が、あとから戻ってくるお金」です。

この前提を知らずに「開業したら補助金がもらえるらしい」と調べ始めると、時間だけ溶けます。この記事では、開業したばかりの個人事業主が現実的に狙える2つに絞って、申請実務をやっていた人間の目線で解説します。

先に知っておくべき3つの現実

ぴよぴよ
補助金ってタダでもらえるお金じゃないの…?
センパイセンパイ
先に自分で払って、あとから一部が戻る仕組みだよ。ここを勘違いすると危ない
  1. 補助金は後払い(精算払い)。採択されても、まず自分の財布から全額支払い、実績報告が通ってから振り込まれます。手元資金は必要です。
  2. 対象になるのは「採択後に発注した経費」だけ。すでに買ったパソコンや、申請前に契約したサービスは原則対象外。これは実務で一番よく見た失敗です。
  3. 採択はゴールではない。申請書類より、採択後の実績報告(領収書・証憑の整理)のほうが手間がかかることも珍しくありません。そこまで含めて「やる価値があるか」を判断してください。

① 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉 — 開業1年以内なら本命

販路開拓(チラシ・Webサイト・広告・設備など)の費用を支援する、個人事業主向け補助金の定番です。注目は創業型という枠で、対象は創業からおおむね1年以内の事業者。まさに「開業したばかり」の人のための枠です。

  • 補助上限:200万円(インボイス登録事業者への特例で最大250万円)
  • 補助率:原則2/3(例:150万円の販路開拓費用なら100万円が補助対象になり得る)
  • 2026年の第4回公募は申請受付11月5日〜12月15日の日程が公表されています(2026年9月時点)

ただし、事業計画書を自分で書く必要があります。「何のために・何をして・どう売上につなげるか」を数ページにまとめる作業で、ここが最初のハードルです。逆に言えば、開業直後に事業計画を一度言語化しておくこと自体に価値があるので、販路開拓にお金を使う予定が具体的にあるなら挑戦する価値は十分あります。

最新の公募要領は必ず公式サイト(中小企業庁:小規模事業者持続化補助金)で確認してください。締切・要件は公募回ごとに変わります。

② デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金) — 会計ソフトが対象

会社員時代に私が実務を担当していたのがこの補助金(当時はIT導入補助金)です。2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。会計ソフト・受発注システム・レジなどのITツール導入費用が対象です。

個人事業主に一番関係が深いのはインボイス対応類型で、会計ソフトの導入に補助率66〜80%が適用される点です。freee会計やマネーフォワードなどの主要クラウド会計ソフトは対象ツールに含まれており、試算ではfreee会計の2年分・約9.5万円が実質2万円台になるケースもあります(条件により異なります)。

持続化補助金との大きな違いは、申請を「IT導入支援事業者」(ツールの販売事業者)と二人三脚で進めること。申請書類をすべて自分で書くわけではないので、手続きの負担は比較的軽めです。会計ソフトをこれから契約する人・上位プランに上げる予定がある人は、契約前に補助金が使えないか確認する順番をおすすめします。

この補助金で会計ソフトを導入する具体的な手順と落とし穴は、別記事で詳しく解説しています。

関連記事:freee会計の本音レビュー / freeeのプラン選び

実務経験者としての注意点

ぴよぴよ
代行業者から営業電話が来たら?
センパイセンパイ
公募要領を自分で読んでから判断してね。読めば大半の営業トークは見抜けるよ

金額から入ると失敗する

「最大250万円もらえるから何に使おう」は完全に逆です。先にやりたい事業投資があり、それが対象になるなら補助金を使う。この順番を守らないと、採択のために無理やり書いた計画の実行と実績報告で苦しむことになります。実務で何度も見た光景です。

「補助金が使えます」の営業電話に注意

開業届を出すと、補助金申請代行をうたう営業電話やDMが来ることがあります。中には成功報酬が高額な業者や、実態の薄い「補助金プラン」を売る代理店もあります。公式サイトの公募要領を自分で一度読む——これだけで大半の営業トークは見抜けます。

自治体の創業支援も忘れずに

国の補助金のほかに、都道府県・市区町村が独自の創業助成金を出していることがあります(例:東京都の創業助成事業など)。「あなたの自治体名+創業 助成金」で一度検索してみてください。地域限定のぶん、競争率が低いことがあります。

正直な話:私は個人事業ではまだ使っていない

申請実務の経験がありながら、私自身は今の個人事業で補助金を使っていません。理由はシンプルで、開業直後は投資額が小さく、申請と実績報告にかかる時間が戻ってくる金額に見合わなかったからです。

補助金は「使う予定の経費が先にある人」のための制度です。数万円の経費のために数十時間を使うくらいなら、その時間で本業を進めたほうがいい。逆に、Webサイト制作や広告にまとまった投資を計画しているなら、持続化補助金〈創業型〉は開業1年以内しか使えない枠なので、締切から逆算して早めに動いてください。

よくある質問

Q. 開業届を出したばかりでも申請できる?

持続化補助金〈創業型〉はむしろ創業1年以内が対象です。ただし開業届(または確定申告書)の控えを求められるので、開業届の控え(受信通知)をきちんと保存しているかが効いてきます。

Q. 2つの補助金は併用できる?

対象経費が重複しなければ併用できるケースがあります。同じ経費に二重で補助を受けることはできません。詳細は各公募要領で確認してください。

Q. もらった補助金に税金はかかる?

補助金は事業の収入として課税対象になるのが原則です(消費税の扱いなど詳細は税理士・税務署にご確認ください)。

まとめ

  • 補助金は後払い。「先に払う経費」がない人には向かない
  • 開業1年以内なら持続化補助金〈創業型〉(上限200万・インボイス特例250万)が本命。2026年第4回は12月15日締切
  • 会計ソフトを契約するならデジタル化・AI導入補助金(補助率66〜80%)を契約前にチェック
  • 金額から入らない。営業電話を信じない。公募要領を自分で読む

※本記事は2026年9月時点の公開情報と筆者の申請実務経験に基づきます。公募スケジュール・要件は変更されるため、申請前に必ず各公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。